あっちょんぶりけ

日々の幸せ、心のささくれ、外国語の勉強、レイキなどなど。

聞き上手になるには…

最初におことわりしておきますが、この記事は聞き上手になる方法を書くわけではありません。聞き上手になりたいと常々思っていた私が、意図せず聞き上手と勘違いされた瞬間について書きます。あしからず。

 

人生で2回だけ、「聞き上手だね、話しやすいから色々話しちゃった」と言われたことがある。

1度目は海外出張中、現地のお偉いさんが自分の車でホテルに送ってくれた時。英語が多少は使えるけどネイティブ並みには程遠く、特に仕事を離れた日常会話が苦手で口が重くなっていた。

お偉いさんはなぜかご自身の家族の事を話してくれた。奥さんとは離婚したけど付き合いは続いてて、もうすぐまた一緒に暮らす予定なんだ。でももう1人同居人がいる予定で……それはスゴくディープなプライベートの話で、聞き間違えたかと思うほどぶっ飛んでて、相槌を打つのが精一杯…なんで知り合ったばかりの小娘(当時の私)にこんなプライベートを暴露しちゃってんの???と面食らっていたら、「君はなんだか他の人と違うね、なんで僕はこんな深い話までしちゃったんだろ?不思議な人だ。聞き上手なんだね。」と言われ さらにビックリ!

 

2度目は…コレは重い話。会社に中途採用で入ってきた方。配偶者が心の病気なので自分が頑張って働かなきゃいけない、とのこと。時々 業務状況の話ついでに、そちらの話に及ぶことがあった。私はその方面に詳しくないので、軽はずみに分かったようなコメントをしてはいけない…と思い必死でコメント出来るポイントを探していた。当時の私には話があまりにも重くて、コメントのしようがない事の方が多かった。

結局 その方の配偶者はこの世を去る事を選び、その方も喪が明けると同時に退職した。私物を引き取りに来たその方が事の顛末を話してくれて、最後に言ってくれた、「あなたには本当に良くしてもらったから。何故だかあなたにはこういう話が出来たの、あなたとは友達になれたって思う。あなたって聞き上手ね、本当にありがとう。」

 

どちらのケースも、私は聞き上手なんかじゃなくて、言葉が出なかっただけ。何を言ったらいいか分からなかっただけ。そうやって私が言葉を探している「間」が、偶然相手にとっては話しやすい感じになったらしい。

もう1つ思うのは、私がその人の人生の部外者だったから、かもしれないという事。私たちが友達には言えない話をネットでは書ける、みたいな。この事は確か、川上未映子さんの「すべて真夜中の恋人たち」を読んでいて気づいた。

主人公が昔の同級生とお茶をするシーン。特に親しい間柄でもないのに、その同級生は現在進行形のダブル不倫のことを主人公に打ち明ける。一通り話した後でその同級生がこんな感じの事を言った、あなたにこんな話が出来るのは、あなたが私の現在の日常生活の中の人じゃないから。あぁ、コレか!と腑に落ちた気がした。部外者だからこそ、話せる話。

*本を手放してしまったので詳細を確かめられないのが残念。あの手放すんじゃなかった…

 

本当に聞き上手な人っていうのもきっと存在する。だけど、本当は聞き上手じゃないけどこんな風にして一瞬だけ聞き上手になることも出来る。この場合、聞き上手かどうかは聞き手ではなく話し手次第だったりする。…今回もまとまらなくなってきた…ここまで分かっていながら、普段は聞くことに徹することができないワタクシです。オシマイ。