あっちょんぶりけ

日々の幸せ、心のささくれ、外国語の勉強、レイキなどなど。

西加奈子 「きりこについて」

読了。

実はこの本、長いこと読むのを中断していた。

初めて読んだ西加奈子の本は「漁港の肉子ちゃん」で、

面白かったので続けて買った2冊目だったのだけど

なんだかしっくりこなくて。

主人公に感情移入できないし、

それ以外の登場人物もなんだか変な人たちばかり。

主人公に関する描写も想像が難しい妙な描写。

会話も妙で何が面白いんだか…それで放置していた。

コレは読み終わったら即古本屋行きだな、とおもっていた。

 

でもまぁ、吉本ばななさんを勢いよく2冊続けて読めたから、

今なら読めるかも…と思って読むのを再開した。

参ったね、やられました。

文庫本の100ページを越えたあたりから急に印象が変わった。

そこからは、なんていうかグイグイきた。

ちょっとビックリした。

 

いまだに「パァパ、マァマ」という表現は馴染めないし

「アフリカ大陸がなんらかの天変地異により爆発したような有様」の鼻とか

「肉厚の花びらがうっとうしく何層にも重なり、うねうねと不吉な曲線を描いている」

幼稚園児の顔、なんて私の想像力をはるかに越えてて

頭が想像する事を拒んでいるし、

前半のラムセス二世ときりこの会話を、

小学生と猫の可愛い会話として微笑ましく思う事はできないけど、

それでも、この本は手元に残そう、と思う。

100ページを越えたあたりからの話は

それくらい私にはパワフルに響いた。

 

なんだろな、

西加奈子さんは吉本ばななさんと同じくらい描写が細かくて

でもそれが、私の中の既存の何かとの共通項が少ないので

未知すぎて、私の脳が拒否反応を起こした感じ?

なかなか面白い現象でした。

西加奈子さんの本、次は何を読もうかな〜

オススメがあれば教えてください。

f:id:klt10110:20190508024008j:image