灰谷健次郎 「少女の器」
読了。
これも積ん読本だったもの、
買ったのがいつだったかもう思い出せない。
カバーを捨ててる、ということは
10代後半か20代前半だったと思われる。
本棚に入れた時の色合いを揃えるために
当時はカバーはことごとく捨てていた。
「灰谷さん」は小学生の頃から何となく馴染みがあって
この本も実家で父か母が所有していたんだけど
「少女の器」というタイトルから
なぜだか大人向けの本だという印象を持っていた。
読んで見て、やはり大人向けの本の方に思うが、
一方でこの本を子供の時に読んでいたら
親子でもっと色々会話できたのではないか…とも思った。
話は絣(かすり)という少女とその離婚した両親を中心に進む。
離婚後父親が家を出て行ったが、絣は自由に行き来出来ていた。
あくまで想像だけど、離婚とか単身赴任とか
一緒にいられない事情がある親子は、
一緒にいられる時に 他よりも多く言葉を交わす…のかな?
あるいは「本」だから言葉で表現する以外にない、のかな。
一つ一つ丁寧に真剣に言葉を交わす感じを読んで
我が家ではこういう会話はなかったなぁと何度も思った。
こういう親子、こういう女性になりたかった、と思った。