あっちょんぶりけ

日々の幸せ、心のささくれ、外国語の勉強、レイキなどなど。

化学物質過敏症の人との遭遇

前に書いたこの記事。

化学物質過敏症」を知ったのは、偶然でした。

日本に一時帰国中、駅前のコンビニで具合の悪そうな人がいたんです。

 

コンビニに入ったらパイプ椅子に座っている人がいて。

イートインスペースではな場所に椅子で座っていたから

多分具合が悪いんだろう、と思いつつ買い物…

が。気づけば椅子から落ちて床に倒れている。

こりゃまずい、でも私に何ができる?

なんの知識もないから何も出来ないかもしれない、

でもとりあえず!と声をかけました。

 

その人は、床に倒れながらも意識はしっかりしていて

「大丈夫です、よくあることなんです、匂いがダメで…」と。

え?匂い?じゃぁ、マスク要る?コンビニだから売ってるかも…

「あ、大丈夫です、マスク持ってます。」

え、この暑い時期なのにマスク持ってるの?!(当時は真夏)

「マスク、二枚重ねすれば大丈夫です」

は?二枚重ね?!いちいち驚く私。

実際にバッグからマスクを2枚取り出して装着するその人。

この暑いのに、マスク二枚重ね……

匂いは防げても息苦しくなりそう。。。

でもそうするしか無いんだよね。

 

聞くと、コンビニに入ってきた時は元気だったとこと。

確かにそばにはどこかで買ってきたらしい餃子入りのレジ袋、

コンビニのカゴにはメロンパンが入っていた。

食欲全開な人のチョイス。

でも、コンビニ店内で誰かの香水の匂いに発作が出てしまった。

椅子に座らせてもらって落ち着いてきたんだけど、

たまたま近くにいた男性の香水か柔軟剤の匂いで

また苦しくなってしまい、椅子から落ちてしまった、とのこと。

 

わ、わ、わ、私も柔軟剤使ってるけど、私が近くに居て大丈夫?

と聞くと大丈夫とのこと。

症状も落ち着いてきたようだったので

家まで車で送っていくことにした。

車の中でいろんな話をしてくれた。

 

この病気にかかったきっかけは受動喫煙

こんな重い症状、もしや家族の長年の喫煙が原因?

と聞くと、「いや、就職した先でヘビースモーカーがいて」

これはショックでした。

分煙・禁煙が当たり前になってもう長いこの時代に。。。

「この病気を知らない病院の先生もまだ多くて、

県内にはみてくれる病院が無いんです。

だから東京の病院に…」

「自宅にいても外から入ってくる匂いで

発作が出ちゃう事もあるんです…」

えぇぇ?それなのに一人暮らしで大丈夫?

「家族の匂いがしんどい事もあるので…」

あぁ…そっか、1人でいる方がいいのか…

 

初対面の私にいろいろ話してくれる様子から

こういう風に外で発作が出て、誰かに助けてもらったことが

過去に何度もあるんだろうなぁ…と推測する。

実際、アパートの廊下でぶっ倒れて、

同じ階の人に助けてもらった事もあるんだとか。

治療法は無いらしく、出口がないような状態に感じられ、

私が息苦しくなってくる。

 

香水や柔軟剤・芳香剤のような人工香料で発作が出てしまうとのこと。

柔軟剤や芳香剤、ルームフレグランス

ここ数年どんどん匂いが強くなってる傾向にある。

コンビニですれ違った人の匂いで発作が出るくらいだから

電車の中とか勤務先とか…

いつも「匂いテロ」に怯えてなきゃいけないよね。

そりゃマスク2枚、常備するよね。

電車の中も危ないけど、車運転してて発作が出たら

事故を起こしてしまうかもしれないから電車通勤するしか無いんだね…

生きづらい時代になってしまったね…

病院の先生もまだ知らない位だから、一般の人の認知度はかなり低い。

どうしたらいいんだろうねぇ。。。

 

無事その人の住むアパートに到着。

まだだいぶ心配だったけど、症状も治ったようなので

荷物と餃子とメロンパンを渡して別れた。

 

今も餃子を見るとその人を思い出します。

餃子の匂いは大丈夫で良かった。餃子、美味しいもんね。

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